遺言書を残す前に!「基礎から覚える遺留分の仕組み」

基礎知識 投稿日:2014年7月15日
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かしこい相続の日本相続研究所

~相続で困る人を「ゼロ」にするブログ~

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こんにちわ!!

円満相続を実現するための遺言書ですが、思わぬトラブルを引き起こすことがあります。

遺言書の内容が相続人の誰か1人に偏っている場合などです。

これは、他の相続人から平等じゃない!言われかねない不安が残ります。

他の相続人には「遺留分」という権利を持っており、遺留分は遺言書よりも強い強制力を持つのです。

円満相続のために、「遺留分」を考慮した遺言書を残したいですね。

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ここからがブログの本編です

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遺留分ってなに?

遺留分(いりゅうぶん)とは、相続財産を受け取る権利がある人に残されたされた、相続財産の一定の取り分のことをいいます。

遺言者は、原則として遺言によってその相続財産を自由に処分することが認められていますが、 その自由を無制限に認めてしまうと、本来の相続人の期待をあまりにも無視する結果となってしまい妥当ではありません。

そこで遺留分を定め、その範囲で遺言の自由を制限しているわけです。
ただし、遺留分を害するような遺言でも、ただちに不可とするのではなく 遺留分を有する者が遺留分減殺請求をしてきたときに、その限度で遺言が効力をもたなくなるにすぎません。つまり遺留分を害するような遺言をしたからといって、そのこと自体には何ら問題はありません。

 

遺留分減殺請求権の消滅

さて、遺留分を侵害された相続人は、その侵害された限度で遺言の効力を 失わせることができます。

ただし、相続開始があったことと、それが遺留分を侵害し、 遺留分減殺請求をしうることを知ったときから1年以内に行使しなければ時効で消滅してしまいます。
またこれらの事実を知らなくとも、相続の開始から単に10年が経過した場合も同様に 権利行使できなくなります。

遺留分の割合

遺留分を有するのは、兄弟姉妹を除く法定相続人、つまり配偶者・子・父母(祖父母)に限られます。
遺留分の割合は以下の通りです。
1.父母(祖父母)のみが相続人である場合は法定相続分の3分の1
2.その他の場合は法定相続分の2分の1
例えば、被相続人に、配偶者と子供1人が共同相続人の場合、 配偶者は法定相続分として2分の1を相続できるはずです。  ここで、被相続人が子供に全財産を遺贈する旨の遺言を残していた場合、 そのような遺言も有効ですので、配偶者の相続分はゼロとなってしまいます。

しかし、遺留分の制度により、配偶者は自分の法定相続分の半分(上記の表の2に該当します) の4分の1を遺留分として請求できるのです。

 

減殺請求の方法

減殺請求は、必ずしも裁判所へ訴えてする必要はありません。  意思表示が相手方に到達すれば足ります。 裁判外で請求する場合は証拠を残すために、 配達証明付きの内容証明郵便で請求する方法が一般的です。

遺留分の事前放棄

遺留分を事前に、つまり被相続人が死亡する前に放棄することは、 家庭裁判所の許可を得たときに限って可能です。  被相続人が相続人に対してむりやり遺留分の放棄をさせることなどを防止するため、 家庭裁判所へ許可の申立てをしても必ずしも許可されるわけではありません。  しかし、よほどの事情がない限り、かなり高い確率で許可は下りているようです。
なお、相続開始後に遺留分を放棄するのは個人の自由です。 この場合、 家庭裁判所に対する申立てももちろん必要ありません。  注意すべきは、遺留分の放棄があっても、他の相続人の遺留分が増加するわけではありません。
また、遺留分を放棄した者でも、相続権自体を放棄したわけではないので、 相続が開始すれば相続人になることができます。
なお、被相続人の死亡前に相続権を放棄することは認められません

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